一流とは、高い密度の努力を続けた人だけがなれるもの。


よい治療家になるには、治療技術の他にも必要なことがあります。ここではその道のプロフェッショナルに、治療家に必要なチカラを磨くための教えを伺います。今回は、ソムリエの田崎真也さんに、サービス業の極意を聞きました!

アシストに徹してこそプロのサービス

私の考えるサービスとは、お客さまのアシストを行い、「ありがとう」という感謝とともに報酬をいただくプロの技術を要する仕事です。よくサービスのことをおもてなしということがありますが、それはいかがなものかと私は思うのです。おもてなしとは、本来無償で提供されるべきもの。お屋敷で言えば主がゲストを招待し、料理やワインをふるまうことがおもてなしであって、私たちの仕事はそれをアシストする執事の役目です。それは1人でお越しになるお客さまにも同じことが言えます。そのお客さまは、自分自身をもてなすためにいらっしゃっていると考えればわかりやすいのではないでしょうか。  サービスとは、お客さまが最上の時間を過ごせるように「アシスト」をすること。ですから、お客さまが求めてもいないのに自分の知識をひけらかすようなことはサービスではありません。お客さまはスタッフの話を楽しみに来ているのではなく、ゲスト、もしくは自分をもてなすためにいらしています。自分が目立つのではなく、お客さまのアシストに徹する。それがサービスの仕事をするということなのだと思います。

日常生活でサービス力を鍛える!田崎流トレーニング

本来サービスとは、応対しているお客さまに対しての気づかいです。しかし、その気づかいを誰にでも行うとルール化した時点で、それは「サービス」ではなく「作業」になってしまいます。たとえば、お客さまが手を使って食べる料理を召し上がったとき、これは手を拭く必要があるなと思っておしぼりを提供するのは「サービス」ですが、その食事を召し上がったお客さまには必ずおしぼりを提供する、というのは「作業」です。つまり、サービスとは、ルールに従ってするものではなく、お客さまに対する目配りや気配りから生まれるものなのです。  この目配りや気配りを仕事の中だけで身につけるのは大変です。日常生活の中でも、これからご紹介するようなトレーニングをするとよいでしょう。まずは目配りについて。〝混雑している駅であえて人の流れに逆行し、誰の進路も妨げることなく目的地まで速く歩く〟。これは、広い視野と人の行動予測が必要で、目配りができるようになるにはうってつけの方法です。また、気配りについてはこんな方法が有効です。〝飲食店で他の人の手が届く位置に必要な調味料があるかどうかを気にかける〟。当たり前のように感じるかもしれませんが、これを誰よりも早く確認するというのはなかなかできるものではありません。こうした目配り・気配りの練習が自然と日常生活の中で継続してできるようになれば、たとえ200人規模のディナーショーであっても、誰がグラスに手をかけ、誰がナプキンを落としたか、ステージの上からでも分かるようになります。

大切なのは時間ではなく、努力の密度を高めること

ここで、一流のプロになるために必要なことを説明するために、ひとつ質問をしましょう。もし、あなたに素晴らしい先輩がいて、その人を追い越したいと思ったら何をしますか? 弟子となり、その人の通った道を徹底的に追いかける、という答えが多いと思いますが、それだけではいつまでたってもその人を追い越すことはできません。では、追い越すためには何が必要なのか。その答えは創造性と独創性です。あなたが追い越したい人が持っていない自分だけのアイデアを考え、実践する。自分が憧れの誰かに勝ちたいと思ったら、同じ道をたどっているだけでは不十分なのです。  一流のプロになるために重要なのは、ただただ時間をかけることではありません。人一倍の鍛錬と創造性・独創性を併せ持った密度の高い努力をすることが重要なのです。よく石の上にも三年といいますが、そこで会得するべきものを会得したならば、すぐに次の大きな石に挑んだほうがいい。努力の密度を高め、どれだけ短い時間でその石の上をクリアできるか。常にこのことを意識していれば、きっと早く一流になれると思います。

教え01

プロならまずは技術を磨くべし! どんなお客さまにも満足していただくために、本業のテクニカルな部分は誰よりも優れたものを持っていると自負できるようになるまで、日々努力を絶やさないこと!

教え02

目配りできる人間になるべし! あの人は何をしている、この人は何をしていると、目配りをできる人間に! これは日常生活の中で習慣的に身につけていくこと。日々トレーニングを!

教え03

気配りができてこそサービス業! 目配りができたら、そこで気がついた所をフォローできるようになる。つまり気配りができる。これが備われば絶対いいサービスができる!

あわせて読みたい関連記事