店舗探しの前に「立地」を吟味しよう


不動産屋でテナント探しをするべからず

img-02流行る治療院を開業するにはいくつかの重要なポイントがあります。これを押さえておかなければ成功するのは難しい、という大切なものです。今回はそのなかでも私が重視している「立地」に関する話をします。
もし、あなたがどこかで開業したいと思ったとき、店舗物件はどのように探しますか? 多くの方が「とりあえず不動産屋に相談する」と答えるでしょう。事実、私も初めて開業したときは、まず不動産屋に行きました。こちらの要望に適う広さや家賃の物件がないかを探すためです。不動産屋で希望条件をいえば、それなりの物件がすぐに見つかるでしょう。しかし、これが誰もが失敗する典型的なミスなのです。
最初にいいます。流行る治療院を開業したかったら、不動産屋に行ってはいけません。あなたは物件という「箱」選びに夢中になる前に店舗の「立地」を吟味しなければならないからです。私は埼玉の大宮で初めて開業したとき失敗し、結局院をたたみました。見つけた物件は家賃も広さもそこそこという満足のいくものでしたが、決定的なミスを犯していたのです。なにかというと、表通りから裏に入った飲み屋街で、昼間はほとんど人が通らない道に面した立地だったのです。治療院としてこれは致命的。通勤、通学、買い物とその街に住んでいる人が普段の生活で目にふれる場所になければ、開業の第一歩で必ずつまずくことになるでしょう。

開業の成否を決めるのは店舗の立地条件だ

店舗の中身や家賃を吟味する前に、あなたがまずしなければならないことは、開業したいと思う街の構造、人の流れをとことん自分の足で調べることなのです。1店舗目の開業ならゆとりを持って1年かけてもいいくらいの気持ちが必要です。できれば朝、昼、晩と時間を変えて、その街を歩きまわり、自分がここで暮らしているとしたらという視点で街をチェックしましょう。最初の開業で失敗した私は次に納得できる立地を探すのに1年をかけました。それほど治療院にとって、立地条件は開業の成否を左右するものです。これはというものに出合わなければ、すべてはスタートできないと考えてください。逆にいえば、いつでも開業できるように準備しておいて、これはという立地に出合ったらすぐにスタートできるのが理想です。

実現したいイメージがあれば2流立地でもOK!

それでは「お宝立地」はどういう立地のことをいうのでしょうか。具体的なポイントをあげて説明していきましょう。まず第1に「二流立地をねらえ」。これはどういうことかというと、開業するには必ずしも有名な街やターミナル駅の前といった、いわゆる一流の立地にこだわる必要はないということです。一流立地は人口も多く、集客力も高いのですが、その分地価も高くなり、競合院もたくさんあります。しかし、ターミナル駅でもなく、駅前から少し離れた二流立地でも必要条件を満たした場所なら、一流立地と同じくらいの集客力を実現することができるのです。そして何より個人開業に大きく影響する資金面も抑えられるのが一番のメリットといえるでしょう。
第2のポイントは、立地選定の前に「開業して実現したいことのイメージを固めておく」こと。自分が開業する治療院はどういう院にしたいのか。どんな患者さまが来院して、どんな会話がなされ、どんなスタッフがいるのか。院内の具体的なイメージを想像できるようにしておくことです。それは、あなた自身のアイデンティティとなり、ブレない院経営に繋がります。イメージを固めておけば、そのイメージと合致しているか、違っているかで目の前の立地の善し悪しが正しく判断できるようになるはずです。おのずと優先順位も定まるので、不要なものは思いきって切り捨てる決断もできるでしょう。

コバンザメ&ジョウゴ作戦で理想の立地と出合え!

コバンザメ&ジョウゴ作戦

最後のポイントは、「コバンザメ&ジョウゴ作戦」。コバンザメとはご存じの通り、他の生きものの身体にくっついて生活し、宿主の食べ残しなどで生きるちゃっかり者のこと。つまり、集客力の大きな店舗、例えばスーパーや銀行などの近所に院を開いて、そこから流れてきた人をキャッチしようという作戦なのです。私が1年をかけて福生で見つけた立地は、まさに大きなスーパーと銀行がある「生活道路(地域の人々が主要な道・スポットに出るまでに利用する道)」そばの角地でした。その日はクルマで他の街を見に行った帰りで、夕方に近い時間だったのですが福生の街も見てみようと立ち寄ったときに見つけたのです。私はひと目見て「これだ!」とピンときました。 その足ですぐに近所の不動産屋に行って聞いたところ、つい数日前に空いたばかりで、まだ誰からの問い合わせもないということでした。ずっとイメージしていた「出合い」がようやく成就したのです。内装を施して、開業したところ、私が予想していた通り、患者さまはスーパーで買い物するついでに、銀行の用事のついでに、私の院に通ってくれるようになりました。しかもクルマはスーパーや銀行の駐車場を利用してくれるので、自分で用意する必要もなかったのです。まさにコバンザメのように、スーパー、銀行の集客を利用して、治療院に患者さまを集めることができました。もうひとつのジョウゴ作戦とは、瓶に水を集める、あのジョウゴのことです。例えば駅前の道を行くと住宅街へ向かう道が何本も放射線状に広がっているようなところがあります。住民はいろんな道を通って駅に向かうのですが、最後は同じひとつの道に集まっていく。ジョウゴで水を集めるように人が集まってくる道路がそれです。こうした道路をねらうというのが、私のジョウゴ作戦です。駅前でなくとも郊外型の街では、ジョウゴ作戦に合致する立地を比較的容易に見つけることができます。さらに近くにスーパーや銀行があればなおよし。あなたもこれら3つのポイントをふまえつつ、「お宝立地」を探してみてください。