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第26回パワーアップセミナー

治療家の未来をサポートするMACリクルートが、セミナーを開講しています。
就活に役立つ情報だけでなく、ワンランク上の施術をものにするための、本誌「佐藤 守のカリスマ塾」に登場している佐藤先生による技術講座もご用意しました。このセミナーは必見です。

第4回スイッチセミナー

近年、希望者が増えつつあるスポーツトレーナー。
スポーツトレーナーの現場のリアルな現状を、目指すすべての方に向けて、治療家の未来をサポートするMACリクルートが、東京ヴェルディ育成部トレーナーとして活躍している北山先生をお迎えします。
スポーツトレーナーに対する「?」や、リアルな現状について、現場ならではのお話を伺います。

第25回パワーアップセミナー

治療家の未来をサポートするMACリクルートが、セミナーを開講しています。
就活に役立つ情報だけでなく、ワンランク上の施術をものにするための、本誌「佐藤 守のカリスマ塾」に登場している佐藤先生による技術講座もご用意しました。このセミナーは必見です。

第3回スイッチセミナー

近年、希望者が増えつつあるスポーツトレーナー。
スポーツトレーナーの現場のリアルな現状を、目指すすべての方に向けて、治療家の未来をサポートするMACリクルートが、東京ヴェルディ育成部トレーナーとして活躍している北山先生をお迎えします。
スポーツトレーナーに対する「?」や、リアルな現状について、現場ならではのお話を伺います。

第24回パワーアップセミナー

治療家の未来をサポートするMACリクルートが、セミナーを開講しています。
就活に役立つ情報だけでなく、ワンランク上の施術をものにするための、本誌「佐藤 守のカリスマ塾」に登場している佐藤先生による技術講座もご用意しました。このセミナーは必見です。

第2回スイッチセミナー

近年、希望者が増えつつあるスポーツトレーナー。
スポーツトレーナーの現場のリアルな現状を、目指すすべての方に向けて、治療家の未来をサポートするMACリクルートが、東京ヴェルディ育成部トレーナーとして活躍している北山先生をお迎えします。
スポーツトレーナーに対する「?」や、リアルな現状について、現場ならではのお話を伺います。

「自由診療」導入の「落とし穴」を考える。

自由診療問題は、治療院経営における共通のテーマ

いま、多くの治療院で課題となっている問題に自由診療、実費診療の導入があります。保険治療だけに頼っていては、治療院としての将来に不安があり、新たな収入源としての自由診療を導入して、もっと確かな治療院経営を図りたいというものです。
現在、治療院を運営している人はもちろんのこと、今後、独立を考えている人も、この自由診療問題は治療院経営を行うすべての人にとっての共通のテーマであり、経営のカギとなるものといえるでしょう。

保険で決められた治療にしばられない自由診療は、患者様との契約で成り立つことで治療費も自由に設定でき、経営面ではとても魅力的なものですが、それだけにリスクもつきまといます。
導入のメリット、デメリットとはどういうものがあるのか。そこで今回の経営指南は、自由診療、実費診療におけるその意義と価値について考えていきたいと思います。

知識やハウツーに頼っていては決してうまくいかない

自由診療のすすめ

最近はよく、セミナーなどで自由診療導入のノウハウをレクチャーする会が人気を得ています。システムやメニューの選択をどうすればいいのか、導入する機材はどういうもので導入費やレンタル料はどのように返済すればいいのか、などこと細かく教えてくれます。これを聞くと明日からでも治療収入が格段にアップし、将来がバラ色になるような気がしてきます。しかし、現実はどうでしょう。セミナーで聞いたとおりに導入したけれど、その後、ちっとも売上は上がらないと嘆いている治療院経営者も少なくないと私は思っています。

そもそもこうした治療院は、なぜ自由診療を導入しようと考えたのでしょうか。
もっと売上を上げて将来に備えようとしたのか。メニューを増やして他院との差別化を図ろうとしたのか。通院してくれる患者さまのニーズに応えようとしたのか。その理由がはっきりしないまま、とにかくこれからは自由診療だと早急に導入しているケースが多いように思います。
なぜ導入するのかという目的が明確ではなく、導入すること自体が目的になっているのですね。これが大きな失敗の原因になっていると私は思います。

自由診療の導入で、本当に患者様は増えるか。

ある院が自由診療のシステムを導入して、ダイエットやエステに対応するメニューを新設したとします。新しい機材も入れ、スタッフに使い方のレクチャーもしました。またそれを告知するPOPやチラシもつくり、あとは来院してくれる新患を待つばかり。これで本当に女性顧客の来院が増えるでしょうか。
私の経験からすれば、残念ながら答えは「ノー!」です。どんなに新しい設備や環境を整えても、それだけでは患者さまを誘うことはできないでしょう。それは、その院の専門が何なのかが見えづらくなり、患者様を混乱させてしまう危険があるからです。
そして、本来、整骨院が持っている患者さまの信頼感や安心感が薄れてしまうわけです。また、せっかく導入した新しいシステムを活用しようと既存の患者さまにしつこく勧めると、今度はその患者さままで離れてしまいます。
お金と手間をかけた自由診療の導入により、かえって経営が悪化することもあるのです。

患者様がやってくる本当の理由

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多くの治療院が間違えてしまっていることは、新しい治療機材、エステやダイエットといった話題のメニュー、最新の治療技術があれば患者さまがやってくるだろうという思い込みです。実際の患者さまはメニューや機材、最新治療を目当てに治療院にやってくるわけではありません。
その治療院の空気、そこで働く先生たちの人間性に惹かれてやってくるものなのです。

流行っている治療院は、そこに一歩入っただけで分かります。
人を迎え入れてくれるあたたかさとホスピタリティに満ちているからです。患者さまはこの空気を感じとり、そこに通うようになります。この空気はあくまでそこで働く人たちがつくり出すもので、マニュアルやノウハウでつくれるものではありません。これこそ私が考える治療院の本質です。
歯医者さんと治療院を比較すると、もっと分かりやすくなると思います。どちらも治療する場所ですが、歯医者さんに長く通いたいと思う人はいないですよね。行きつけの歯医者さんにお土産を持って行ったり、趣味の釣りの話や町内会のお祭りの話をしに行く人もいないでしょう。でも、治療院ではこうしたことは日常なのです。
わざわざ旅行の帰りに立ち寄ってお土産を置いて行く患者さま、昨日の釣りの話の続きを今日また来て話す患者さま。身体はよくなったのになぜか通ってくれる患者さまなど、私たちはこういう患者さまを何人持てるか。それが治療院経営の基本だと私は考えます。

自由診療の成否は、人間力にある

まず、患者さまのコミュニティとして機能する治療院であること。この前提がなくては、自由診療を導入してもうまくいかないでしょう。
あくまでも、患者さまのニーズに応えるのが自由診療の目的なのです。行きつけの信頼する先生に勧められれば患者さまも新しいメニューにトライしてみようという気になります。それも押しつけではなく、自分のことをいつもよく考えてくれる先生がいうのだからという理由があるからです。それで自分の体調がよくなったという実感があれば、患者さまは喜んで自由診療を続けてくれるでしょう。
覚えておいて欲しいのは、患者さまはメニューや機械に魅力を感じるのではなく、それを自分のために勧めてくれる人間に魅力を感じて、試そうと思うということ。こうした関係ができあがっている治療院なら、自由診療の導入もうまくいくはずです。まずは治療院側の論理でなく、患者さま側の論理で考えること。
患者さまはあなたの治療院で何を望まれているのか。それをもう一度初心にかえってよく考えることが、自由診療導入の前に必要なことだと私は思います。

清水流経営 新しい機械やサービスの導入よりも、患者さまのことを第一に考える心が大切!

本当に満足いただける治療とは患者さまの人生に寄り添うこと

施術者の技術レベルが全体的に底上げされているなか、選ばれる治療家であり続けるためにはどうすればよいのか?

病を診るのではなく、人を診る治療を。 ドクターは人の命を預かります。対して僕らは、これから生きる人の人生を支えてあげることができます。そこでは患者さまがどのようになりたいのか、人を診るということが大切です。それぞれの人生を理解し、最良な治療を判断、提供できることが選ばれる所以となるのではないでしょうか。
今回は、“人を診る”ということが分かりやすい事例をいくつかご紹介します。

case.1
引退か現役続行か?
岐路に立つタイガーマスクを救う決断

状況:手術を受けないとプロレスを続けられないと宣告されていたタイガーマスク。しかし手術をすれば長期離脱を強いられる上に、来季の契約もままならない。家族の生活を背負って戦っているため、痛みを耐えながら試合に出続けるしかない状況でした。

対処:仮に治っても、プロレスが続けられなければ意味がない。彼の人生を理解した上で試合と並行して治療を実施。難しい選択であり、ギリギリを見極める能力も問われる責任重大な治療でした。

case.2
遠くへ跳びたい!佐藤真海選手の夢を共有

状況:ロンドンパラリンピック走り幅跳びの選手、佐藤真海さんは腰のヘルニアでまったく練習ができない状態でした。彼女の場合はパラリンピックに出て夢を届けるという大きな目標があり、なんとかして競技に間に合わせてあげたいという想いがありました。

対処:相談を受けたときの身体の状況を見て、練習よりもまずは治療に専念することを提案。競技者にとっては練習ができないことは不安ですが、ロンドンという大きな目標を二人で目指しました。

case.3
五十肩を併発して苦しむ糖尿病患者さまに笑顔を

状況:この患者さまは糖尿病がひどく、併発した五十肩の治療ができないとドクターから匙を投げられた状態でした。痛くて夜も眠れないという状況が2年も続き、半ば人生を諦めているような印象さえ受けていました。

対処:糖尿病の方にとって五十肩の治療はリスクを伴います。自然治癒力を上げる施術を重ねることで肩を動かせるようになり、血糖値までも改善。患者さまに笑顔を取り戻すことができました。

case.4
ヘルニアで夢を諦めかけていた
CAさんに希望を持たせたい

状況:あるCAさんは椎間板ヘルニアを患い、ドクターやセカンドオピニオンにさえ仕事を辞めるようにいわれていました。彼女はパーサーとして後進の指導をすることが目標でしたが、悔いを残したまま会社を退職しようか悩んでいました。

対処:仕事を続けるための治療提案をしました。その結果、彼女は夢を叶えることができました。いまは結婚退職しましたが、「悔いはない充実した人生になりました」といっていただきました。

「出会えてよかった」という一言のために 治療するということは、患者さまの人生を背負うこと。そこには相応の重圧がありますが、患者さまが自分の人生を取り戻し、「佐藤先生に出会えてよかった」といってくれること。そして、その人生の一部を分け与えてもらえるということは、この仕事でもっともやりがいのあり、素晴らしい部分ではないでしょうか。

MTBプロライダー斉藤亮選手

28歳の挑戦を支え、一緒に勝ち取ったMTB JAPAN2連覇の道

いま、日本国内で無敵のMTB(マウンテンバイク)プロライダー、斉藤亮選手。2012年、2013年のMTB JAPANシリーズ総合2連覇。今年はそれだけでなく全7戦、すべて優勝という完全制覇をなしとげた。現在、国内敵なしの斉藤選手を支えているのは、専属トレーナーとして斉藤選手を診てきた藤原良次トレーナーだ。千葉県松戸市で「きりん鍼灸整骨院」を運営するかたわら、斉藤選手をはじめとするさまざまな日本のトップアスリートの心と身体のサポートを行っている。さらなる高みを目指す二人に、選手とトレーナーそれぞれの立場からのお話をうかがった。

クロスカントリースキーからMTBへ、28歳の転身

斉藤亮選手

MTBレースはその名の通り、舗装された道ではなく、山のオフロードを走るためにチューンナップした自転車により、冬季シーズンを除き、スキー場など特殊なコースでレースを行うスポーツだ。自転車によるクロスカントリーといえば分かりやすいだろうか。もちろんオリンピックでも人気種目のひとつで、ロンドンオリンピックでその迫力あるレース中継を見た人も多いだろう。

MTBのレースは、日本でも数多く行われているが、その最高峰のレースがMTB JAPANシリーズだ。5月の第1戦びわこ高島STAGEから10月の最終戦白山一里野大会までのJ1という最高グレードのレース全5戦と、次点のJ2グレードの戦績で年間優勝者が決まる。今年の2013シーズン、このMTB JAPANシリーズをすべて優勝、大会初の全勝で完全制覇したのが、斉藤亮選手だ。ミヤタメリダバイキングチームに所属するプロライダーで、昨年も国内年間チャンピオンを獲得し、2連覇。今や日本国内のMTB界で無敵の王者となった。

そんな斉藤選手だが、今年で33歳。現役のスポーツ選手としては、決して若い年齢だとはいえない。実はMTBの選手として参戦したのは2008年からで、当時すでに28歳という年齢だっだ。それ以前の彼は、ウィンタースポーツのクロスカントリースキーの世界で、日本代表として活躍していた一流スキーヤーだった。ノルディックのワールドカップや世界選手権で、輝かしい実績を上げ、2006年のトリノオリンピック日本代表はほぼ間違いない位置にいた。しかし、選考委員は斉藤選手の実績より、若手の可能性にかけてしまった。目の前にあったオリンピック代表の座を逃した彼は、2008年にその実力を見せつけるようにその年の国体で優勝したのを最後にスキーを脱ぎ、MTBの世界へと転身した。

一度、スキーで頂点を目指した選手が28歳で再び新たな世界で頂点を目指すのは大変なことだ。心身ともに過酷なチャレンジを始めた斉藤選手にとって、ひとつの大きな出会いがあった。地元長野で、ある一人のトレーナーを紹介されたのだ。それが長野のスキークラブの選手たちをサポートしていた藤原良次トレーナーだった。斉藤選手のアスリートスピリッツに感動した藤原トレーナーは、専属で斉藤選手をサポートすることを決意。ここから二人のチャレンジは始まった。

スキー板と自転車を操ることは似て非なるもの

MTBレース 斉藤亮選手

斉藤:スキー選手のとき冬はゲレンデで滑ることができますが、もちろん夏場は雪がありません。夏場のトレーニングとして自転車をとり入れていたので、MTBは乗り慣れていました。それにスキーもMTBも機材を使うスポーツで、その特性に合わせた走りをすることでタイムが違ってくる。どちらも操る人間の技術力がモノをいうという共通点があり、僕には向いていると思いました。しかし、雪の上で板を滑らせる力と岩山でペダルをこぐ力は、身体のバランスのとり方や筋肉の使い方がまるで違うんですね。それを克服するためには、まずクロスカントリースキーヤーの身体から、MTBライダーの身体に変えていかなくてはならない。そんな根本的な身体づくりのところから藤原コーチと相談しながら、試行錯誤で一緒にやってきましたね。

MTB選手の身体をケアするのは初めての経験

藤原良次トレーナー

藤原:斉藤選手と出会ったのは、私が長野のスキー選手たちをサポートしているときに、ある知り合いの人から紹介されたのが最初でした。「インサイドアウトスキークラブ」というところがスポーツトレーナーを探していて、そこに斉藤選手が所属していたのです。それまで何人かのスキー選手のトレーナーをしていた私は、もちろん斉藤選手の名前を知っていました。その頃、すでに彼はMTBのプロ選手に転向していて、地元のスキー選手とともにトレーニングに励んでいました。すでに日本のクロスカントリースキーのトップ選手としてつくり上げられていた身体は素晴らしく、一人でトレーニングしているいまでも、どれだけストイックに打ち込んでいるかは、身体をさわっただけですぐに分かるくらいですね。

いろいろ話しているうちに、MTBにかける彼の情熱を知り、私の中にも新たなやる気がわいてきました。それまでスキー選手の身体のケアには自信がありましたが、MTB選手はまったく初めてでした。ましてや身体が資本のプロ選手ですから不安も多くありましたが、自分も彼と一緒に勉強しようという気持ちで取り組みました。スキーについては自分も経験者なので、トレーナーとしての役割も理解していました。どういう筋肉をどのように使い、試合後どのようなダメージが残るのか。それをどのようにしてケアすればいいのか。また試合に備えての体調管理、当日のパフォーマンスを最大限に上げるためのノウハウなど、選手の個性に合わせてサポートするポイントまでも持っていました。

しかし、MTBの競技も選手の身体づくりに関してもまったく経験も知識もなく、私にとってもイチからのチャレンジとなりました。まず、MTBという競技について知識をつけるために、自分もこれに乗り、自らの身体で体験することが早道だと思い、自宅の近所でMTBに乗ることから始めました。そして、少しずつではありますがMTBの選手が登り道ではどこの筋肉をどう使うのか。下りのスピードを出すところでは、どんなバランス感覚が必要になるのか。MTB選手の身体の使い方を身をもって追体験することで、スキー選手との違いも分かるようになり、少しずつ斉藤選手が求めるトレーニングやケアができるようになったと思います。

プロの僕にとってトレーナーは大きな支えでした

プロの僕にとってトレーナーは大きな支え

斉藤:藤原トレーナーがMTBを体験してくれるのは、僕にとって心強かったですね。体験した人しか分からない微妙な感覚やニュアンスも理解してもらえ、より深く濃いトレーニングができるようになりました。また、よりスピードをつけるために体重を減らしたいと思っていた僕は、トレーナーと相談しながら3キロほど体重を落とし、ベスト体重を見つけることができました。一人で試行錯誤の努力をするのは孤独で辛い作業ですが、自分のがんばりや思いを常に見守り、チェックしてくれる人がいるのは大きな励みになります。

プロ選手は大会での結果がすべての評価につながります。たとえ、コンディションがベストではないまま大会に挑んでも、常に結果が求められます。ときにはトレーニング中にケガをしてしまうこともあります。アマチュアならケガを治して万全の体調になってから試合に出ようということも可能でしょうが、年間のポイントで争う僕たちの世界では、出場できなければ評価はゼロ。少しぐらいのケガや痛みで大切な試合を欠場することはできません。そんなときこそ、僕にとって藤原トレーナーの存在が大きく感じられます。試合から逆算して、少しでも体調を戻す方法を一緒に考えてくれる。鍼灸の技を駆使したり、酸素カプセルを使ったり、それによって劇的に回復し、次の試合に臨めたときもありました。

100%はムリでも、80%・90%にするのがトレーナーの仕事

80%・90%にするのがトレーナーの仕事

藤原:専属トレーナーといっても、毎日つきっきりで見られているわけではありません。いつもは彼が自分でトレーニングをこなしつくり上げてきた身体を、最後のチューンナップのところで私が確認する。彼はそれだけで十分ですね。それほど彼はプロ意識が強く、自分を律することができるアスリートです。しかし、アクシデントによるケガなどの緊急事態が起きたときは、私ががんばらなければと思っています。彼のケガや痛みを早く治したり、緩和させたりするのは私の仕事ですから。次の試合までに100%はムリでも、なんとか80%、90%の力に戻せるような努力をしています。

今年の彼は常に100%のコンディションではなかったのにJAPANシリーズを全勝することができました。1年間身体を診てきた僕にとっても、本当に嬉しいことだし、それ以上に彼のがんばりには頭が下がる思いですね。国内試合の間に何回か海外遠征がありましたが、そこに私は同行することができませんでした。すると日本に帰ってきたときに、成田から私の院がある千葉県の松戸市まで直行してくれるんですよ。試合後の身体のケアをするためにです。こういうこまめに自分の身体をケアしているところは本当にプロ意識が高いなと思いますね。

斉藤:僕らスポーツ選手はなんといっても身体が資本ですから。ひとつの試合が終わればそれでよいというわけではありません。試合が終わるということは、次の試合のスタートなのです。やはり試合が一番集中して力を使いますし、緊張もします。その疲れをとり除いてもらうことで、しっかりと次の試合に向けたスタートが切れるんです。ですから、成田から松戸はほんの少しの寄り道程度。身体のメンテナンスだけでなく、海外のレースで自分なりに気づいたこと、感じたことを記憶が鮮明なうちにまず藤原トレーナーに聞いてもらいたい、相談したいという思いも強いんですね。

今年、国内大会を全制覇することができたので、来年は本格的に海外のレースに参戦して自分の実力を試したいと思っています。33歳という年齢は、アスリートの体力的にはほぼ限界なのかもしれません。でも、僕らは常に前を向いて進化してきたと思います。藤原トレーナーがいる限り、僕の挑戦は続くし、次の高みにも行けるような気がしています。

28歳の転身でクロスカントリースキー日本代表の座から、まったく未知数だったMTBの世界へ。そして見事に日本王者へと登りつめた斉藤選手。そんな彼の挑戦を自分のことのように受け止め、ときには励まし、ときには悩み、一緒に走り続けてきた藤原トレーナー。その絆は、常にチャレンジすることを忘れない人間だけが分かりあえる信頼感で固く結ばれている。

コミュニケーションの重要性

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身体も心も未成熟な選手たちを、トレーナーとして預かる北山先生。
だからこそ、より大切なコミュニケーションについて語ってもらいました。

case.1
発展途上のデリケートな時期に預かっている
そんな重圧と責任を意識しています。

主に担当しているのが、ジュニアユース、いわゆる中学生の選手たち。心も身体も発展途上の選手は、成長期特有のオスグットなどに加え、現在のケガによって一生を棒に振ることもありえます。だから、大人であれば試合に出られる程度だとしても、ケガを治すことを第一としています。
ただ、選手たちはケガを隠してでも試合に出たいと思うもの。トップチームへと続く、将来が見えているわけですからね。だからこそ、将来から逆算して“今しかできないこと”を積み上げるんだ。そう選手たちにはいい聞かせてます。

POINT
ともに光り輝く未来を見据えているからこそ、将来の自分を大切にして欲しい。

case.2
選手の状態のヒントは会話や動作スタッフ間のやりとりからも

選手たちは、自分の夢や周囲の期待を背負っています。だから、ケガをしていたとしても隠すことが多い。試合には出たいですからね。だから、選手がグラウンドへ来たときからじっくり観察するようにして、動作がおかしいと感じたら、会話をしつつヒントを探します。
そこでは選手と同じ目線で、“お兄さん”的な接し方を心がけています。コーチ陣とは異なる役割をこなせるのも、トレーナーの強みですからね。逆に、コーチたちも指導者ならではの情報を持っている。
だから、スタッフ間でもコミュニケーションを密にすることは重要です。監督、コーチ、トレーナー、全員で“育成”という目標を持ったチームなんです。

POINT
ケガだけでなくメンタルのケアをするにはコミュニケーションは欠かせない

Kitayama’s MEMO

Good!!

ある選手が小指を疲労骨折したのですが、もともと体がブレる傾向がありました。そこで体幹トレーニングと、メンタル面でも負担を減らすようケアをしました。今では公式戦でも得点するなど、活躍してくれています。

BAD..

主力の選手が足首を捻挫。ただ、次の試合に出場させたいという監督の要望もあり、5〜6割程度のコンディションで練習に参加させたところ、再度痛めてしまう結果になってしまいました。選手はもちろん、周囲とのコミュニケーションの大切さを痛感しました。